【結果】No2. ウインカー音、どう感じる?

◇テストの背景

ウインカー音は、曲がる、という動作の前に必ず耳にする音です。
その音が好みの音だったら、ハンドルを切るのも楽しくなりそう、そう思い、ウインカー音についてのAudio Testを作成することにしました。
 

◇使用した音源

ボデーなどのプラットフォームがなるべく共通な、電気自動車(EV)とガソリン車を比較すべく、今回、収録およびAudio Testに使用した音源は下記の6台です。
 
NISSAN
 
 
 
MAZDA
 
 
 
BMW
【EV】 
 SAKURA
 
 MX-30 EV MODEL
 i4
【ガソリン車】
 DAYZ
 
 MX-30
 
 M440i xDrive クーペ
 
 

◇使用した評価語

ウィンカー音は、未だリレー音に近い音色もあれば、聴き馴染みのない、新しい音色もあります。
一定のリズムを刻む中で、一つ一つの音がどう聴こえるか、「しっかりした」「かろやかな」という印象を評価語にしてみました。
また、好みかそうでないか、も製品を選ぶ/購入する上で重要な印象ですので、評価語は下記の2種類に決定しました。
 
【評価語1】 しっかりした ー かろやかな
【評価語2】 好み     ー 好みでない
 

◇テスト結果(印象の集計) 

各音源によって、回答数が異なっていますが、
回答数は156〜159名分。その内訳は、
 
【性別】
男性 :137名(86%) 
女性 : 22名(14%)
 
【年代別】
若年層(29歳以下):24名(15%)
中年層(30代)  :33名(21%)
中年層(40代)  :27名(17%)
中年層(50代)  :46名(29%)
高齢層(60歳以上):29名(18%)
 
 
全世代の結果(右図)の傾向
票数の一番多いポジションが濃い色で表示されま
すが、
NISSAN、BMWが「かろやかな」寄り
MAZDAが「しっかりした」寄り
と、車メーカーごとの特徴が分かれました。
 
▼年代別の回答結果はこちら
【ウインカー音】年代別の回答結果2023/7/28 11:422023/8/3 12:19
▼Sound Oneアプリの結果画面(全世代159名分)*6台分を表示するため、画面を上下に繋げて表示しています
 
 
 
【評価語1】 
しっかりした ー かろやかな
 
平均値をとった右図から分かる傾向は、
  • 「DAYZ」は全世代で顕著に「かろやかな」寄り
  • 「MX-30」は特に29歳以下(〜20代)と30代で、
  顕著に「しっかりした」寄り
 
 
 
 
 
【評価語2】
好み ー 好みでない
 
下記のような評点とした場合の全世代、各世
代のスコア平均値は右図となりました。
 かなり好み    4点
 やや好み     3点
 どちらでもない  2点
 やや好みでない  1点
 かなり好みでない 0点
 
  • 「MX-30」は全世代でスコアが高い。特に29歳以下
  (〜20代)と30代は、大差をつけてトップ
  • 「MX-30_EV」は30代でスコアが高い
  ⇒MAZDA2車種は30代が大きく支持
  • 「SAKURA」は30代、50代、60代でスコアが
あまり高くなかった
  • DAYZは20代、40代、50代、60代でスコアが高い
 
 

◇テスト分析(印象と音の特徴との関係)

 
全世代の結果(右表)の傾向
  • 【評価語1】しっかりした ー かろやかな と、
  全帯域の音圧の大きさを示す、O.A(オーバーオール値)と
  相関がほぼなかった
 
  • 【評価語1】しっかりした ー かろやかな と、
  特に相関が強い周波数は、500Hz、800Hz
  (評価語1と800Hzの散布図ではMX-30が最も「しっかりした」寄り)
 
評価語1と800Hzの散布図。⑤MX-30が最も「しっかりした」印象
評価語1と800Hzの散布図。⑤MX-30が最も「しっかりした」印象
 
  • MX-30の1/3オクターブバンドレベルを見ると、ウィンカー音の発生に
応じて、500Hz〜10kHzのレベルが大きく増加。
一方、例えば2kHzはレベルが大きく増加しているが、右図の分析では
相関は弱い
⇒ウインカー音が含む周波数の中で、相関の強い帯域と弱い帯域が存在
することがわかった。次のAudio Testをトライする場合は、グラフィッ
クイコライザで、相関の強い周波数を増加させ、相関の弱い周波数を
カットし、より印象の傾向が顕著に出るか試してみたい
 
MX-30 ウインカー音の1/3Octave Band Level。500Hz〜10kHzのレベルが、ウィンカー音の発生と共に大きく増加。
MX-30 ウインカー音の1/3Octave Band Level。500Hz〜10kHzのレベルが、ウィンカー音の発生と共に大きく増加。
 
 
▼Sound Oneアプリの分析画面(全世代159名分)
 
全体を通して、
自動車メーカー毎に、印象が明確に分かれ、MAZDA「MX-30 EV MODEL」と「MX-30」は「しっかりした」
NISSAN「SAKURA」と「DAYZ」、BMW「i4」と「M440i xDrive クーペ」は「かろやかな」という印象でした。
500Hz、800Hzの周波数成分が、「しっかりした」印象と関係が強いこともわかりました。
特にそれぞれの印象に大きく寄った、MAZDA2車種と「DAYZ」を聴き比べてみると、ウインカー音のテンポは同じくらいですが、
MAZDA2車種は、高さが異なる音が交互に鳴るのに対し、「DAYZ」は同じ音が連続して鳴ることから、
「DAYZ」のほうがテンポが速く聴こえる人もいるかもしれません。(下のコメントでも「テンポが速いとかろやかに聴こえる」とありました)
今後、Sound Oneの機能として、周波数軸だけでなく、時間軸の情報との相関も分析できると、さらに面白い結果が得られそうです。
 
 

◇コメントの紹介

印象の回答後にコメントも多数、いただきました。ありがとうございます。
テストを作成する側にとって、コメントはとても嬉しいです。
どんな意見であっても、テストを受けてくださった方の体温が伝わってきます。
 
  • エンジンノイズのような背景音は不要な気がします
  • 音だけだと印象を持ちにくいです。
⇒ご意見、ありがとうございます。何を収録するか、は改善が必要ですね。また、動画を見て印象を答える、というのもやってみたくなりました。
 
  • あまり意識したことがなかったので、自分の中のウィンカーの好みがあまりわかりませんでした。
  • 好みの音がなかった
  • 軽やかなイメージの方が全体的に強い印象があった
  • 分かりやすく、評価しやすい内容でした。
  • テンポが速いと軽やかに感じます。好みは、テンポがゆっくりな方。単音の繰り返しより、ピッチの違う音のセットの繰り返しが好み
  • ウインカーの音を聴き比べるというのは貴重な体験でした。今後は自分で音が選べる車も出てくるのかな、と思いました
  • あまり意識したことがなかったので、自分の中のウィンカーの好みがあまりわかりませんでした
  • 甲高く、リズムの早い音は落ち着かないです。ゆっくりの低音がしっくりくる。ウインカーは変な電子音ではなく、リレー音が好きです
  • なかなか自分の好みが分からなくなります。さて自分の車はどうであったかがあまり記憶が出てきません。
  • 音の高低によって印象がだいぶ変わる
  • リレー音で体が慣れているので、機械的なはっきりした音が好みであると感じました
  • どれもテンポが速いように感じた
  • ウィンカーの音は大差ないと思っていましたが、聞き比べてみると好みが意外とあるものだと自覚しました。
  • 好みか好みで無いかについて,自分の中ではっきりとした基準がないにもかかわらず,判断している事に気が付きました。半ば無意識に決めてしまっています。
⇒たくさんのご意見、ありがとうございます。こうして見ると、好みは人によってさまざまあることを実感しますね。
 また、自分の好みって何だろう、というご意見も。確かにこれも共感できます。そういう自分に気づく体験も、Sound OneのAudio Testならでは感じました。
 

◇おわりに

テストにご回答いただいた皆様、本当にありがとうございました。
もっといろいろな車種で、もっといろいろな評価語で、皆さんが感じる印象を知りたいと思いました。
音を通じて、あらゆるサービスや製品の個性、豊かさを、作り手と受け手が共感、共創すること
そのために、Sound Oneは、今後も一つ一つアップデートし続けていきます。
 
お気づきの点や「こういったことに使いたい」といったご要望がございましたら、
ぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。
どんなご意見でも大歓迎です。
 
次回のイベントは今回の結果を受け、よりアップデートした内容でお届けします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 

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